インターン初日

今日はインターン初日だった。面接であれほど怒られたので、今日はなるべく優秀に仕事をしようと思って、5分前に到着すれば良いところを20分前に到着した。始業時刻は10時。しかし、5分前になっても誰もやってくる気配がない。

5分経って10時になる。結局誰も来なかったので、「今日は休みなのかもしれない」とちょっと期待に胸を膨らませながらドア一枚挟んだインターン先に電話をかけるが、虚しく電子音が響くだけ。

10時をちょっと回って、ようやく一人のインターン生がやってきた。どうやら10時始業は絶対ではないらしい。今までの自分の時間感覚ではなかったことだが、最初のインターン生が遅れてくるのだからきっと時間に緩いに違いない。と思って、先輩に聞いてみたら本当にそうらしい。

タイムカードというものを生まれて初めて切り、いよいよインターンの始まりだ。手が震えた。面接の悪夢が思い起こされて、嫌が応にも背筋が固くなる。パソコンを立ち上げるだけなのにいちいち確認を取る。あきれられるかもしれないが、それが一番安心安全だ。

午前中は、数ある作業のうちで一番簡単な作業を行う。それでも普段パソコンの管理などしたことがないので、一つ一つが難しく感じられる。それでも30分もこなしてくれば、ある程度出来るようになった。ただ、社長が求めるスピードには半分にも至らない。しかし、100マス計算の足し算を4日目で1分切り、割り算は目標5分のところ2分30秒で終える自分なら出来るはずだ!などとは少しも思わなかった。

なんとか平和なうちに午前の作業を終え、社長と先輩とお昼を食べに出かけた。財布の中には1500円しかない。早速大ピンチだ。初対面の人にいきなり金を借りるなどというわけにはいかない。まぁ借りられたことならばあるけれど、借りる側は気まずくて仕方ないのだ。しかも高そうな店・・・

だが、なんと今日はウェルカムということで、社長がおごってくれた。これが恐ろしい。まだ何もしていない自分が、つまり大きなミスをしていない自分がおごられるのは、大きなミスに対するプレッシャーが大きくなるのだ。どうせなら午前中に大きなミスをして、それを克服してからランチといきたかった。

そして午後、早速一人のインターン生がクビになった。自分の面接のときにいた人だった。簡単な作業にミスが多かったせいで、しかもどうも原因は集中力の欠如らしいが、「自信がつくまでは来なくて良い」と言われて10分くらいで帰らされていた。あれが将来の自分の姿でないことを祈るばかりである。可能性は十分ある。

今日は天気予報は雨だったが、恵比寿に雨が降るより先にオフィスに雷が落ちた。やってしまった。。。結局、仕事の内容がわかっていなかったのだ。そもそも用語を理解していなかった。怒られて当然だ。内容は当たり前すぎるので、ここに書く必要はないし、特に傷つきもしない。ただ、クビになるのではないかという不安があるだけだ。次は絶対に失敗しない。それだけだ。

そもそも入った時点で首の皮一枚なのだ。それすら半分くらいちぎれてしまった。これから先はどれほどバカと罵られても良いから、極力ミスを減らして回復を待とう。仕事には1ヶ月程度あればなれるらしい。しかし、これは優秀な東大M1の先輩(同い年)の言葉だから、そのまま自分に適用するわけにはいかない。おそらくその倍以上かかるだろう。

朝丁寧に指導してくれた先輩は入って3ヶ月らしいが、それでも輝いて見えた。3ヶ月経つと自分もそう見えるだろうか。それとも既にそこにはいないだろうか。

自分から辞めることはないだろう。怒られるのに理由があるのなら、いくらでも耐えられる。怒られて逆切れ(結構いるらしい)するなどということはあり得ないし、怒られて出勤拒否することもない。ただただ実力不足からのクビだけが恐ろしい。

絶対に3ヶ月後に、社長の口から「お前もだいぶ良くなったな。」と言わせてみせる。負けない!